「犬が私のことを見下している…」
こんな疑問はありませんか?
実際に愛犬との関係性が良くないと、飼い主さんの注意に耳を傾けず、様々な問題行動を引き起こすことがあります。
そこで今回は、しつけのプロである私が愛犬との上下関係を作る方法について解説いたします。
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もくじ
犬の上下関係って嘘なの!?
前回の記事で、【愛犬と主従関係を築くな!必要なのは親子のような信頼関係】について書きました。
犬の上下関係も主従関係と似たようなもので、そのような考えを持っていたとしても、土台として、愛犬との信頼関係が必要になってきます。
あなたのご両親のように、
「悪いことをしたら全力で叱ってくれる」
「良いことをしたら全力で褒めてくれる」
犬の上下関係の作り方|3つのポイント
愛犬と信頼関係を築くための最初の段階として、以下の3つが基本となります。
- 体を触れることができるか
- 叱った時にきちんと理解できているか
- お互いストレスなく快適に過ごせているか
1つずつ丁寧に解説していきますね!
全身を触ることができるか
愛犬とスキンシップをとることは、信頼関係を築くために欠かせません。
愛犬の体に触れて、「ウーッ」と唸ったり、噛む行動が見られる場合は、あなたは愛犬から信用されていないのかもしれません。
もしそうであれば、今からでも遅くはないので、
- おもちゃで遊んでいる最中にさりげなく撫でてみる
- オヤツを与える前や後に触ってあげる
- リラックスしている時に撫でてあげる
など、愛犬の体に触れ合うトレーニングを行なっていきましょう!
叱った時にきちんと理解しているか
あなたの愛犬が悪いことをしたら、叱られた意味をきちんと理解していますか?
例えば、愛犬が家の窓から人が通ったら吠えていたとします。
その時に、あなたがきちんと叱ったら、吠え止めるなどの反省した態度をみせていれば、あなたの気持ちを理解しているでしょう。
しかし、あなたが叱っても無視していたり、吠えの威力が増すようなら、しつけが行き届いていないことがあります。
ストレスなく穏やかに生活できているか
ふだんの愛犬の様子はどうですか?
愛犬と飼い主であるあなたが、お互いストレスなく快適に過ごすことはできていますか?
毎日のようにあなたの目の前でイタズラをしたり、構ってほしいアピールをされていたら、あなたは心地よく過ごせていないのかもしれません。
愛犬との日々の生活を思い返してみて、ストレスを感じているようなら、あなた自身が犬に振り回されています。
犬に上下関係を分からせるには?
犬との上下関係について質問を受けることがあります。
では、まず愛犬との上下関係についてお話させていただきますね。
犬との関係性において上下関係が大切だと理解されている方がほとんどです。
そして、私へのご相談の中で、
という質問が多いんですね。
愛犬から信頼されるような、
愛犬から尊敬されるような、
飼い主になろうと努力をされていても報われず、愛犬からは群れの中で下にランク付けされてしまってるという方も多いのではないでしょうか?
私はこのような相談をされる飼い主さんに、そもそも何をもってして「犬が自分のことを下に見ていると感じたのですか?」と疑問に思いませんか?
もちろん、犬が飼い主さんを完全にナメきっていて、飼い主さんの指示を無視している場合もあります。
でも、ほとんどの場合は「犬が理解していない」ことが原因なのです。
例えば、犬が”スワレ”と言っても犬が座らない場合とかです。
犬はいつもオヤツをもらう時、飼い主さんの前で立っていたらオヤツはもらえない。でも座ったらもらえる。という認識でいるとします。
”スワレ”のコマンド→座る→オヤツ
オヤツの袋を開ける音→座る→オヤツ
オヤツの袋を開ける音→座らない→オヤツもらえない
飼い主さんと犬の認識違いますよね?
これだと”スワレ”という言葉のコマンドと犬の行動とが結びついていないので、犬はいきなり”スワレ”と言われたところで理解ができないわけです。
一方で、飼い主さんはオヤツがなければ座らないと思い込み、「オヤツがなければ座れない」と思い込み、
「オヤツがなければ私の言うことを聞かないのね!私よりもオヤツの方が大事なのね!!」
その結果、「うちの犬、私のこと下に見てるわ!」となるわけです。
上下関係云々の前に、ただ犬が”スワレ”を理解してない、と思っていたのと全然違う問題が発覚することもあるのです。
また、散歩に行くときに飼い主さんよりも先に犬が玄関を出てしまう場合も。
あるお客様は、しつけ教室で「先頭は常に群れのリーダー。犬は飼い主さんよりも後に玄関を出るべき」ということを教わったそうです。
「でも、犬はいつも飼い主さんよりも先に出てしまう。リーダーとして認められてない!」ということだったのです。
犬には、現状維持にこれといった問題はありませんでした。
「普段は問題がないけれど、散歩に行く時にいつも犬が先に出るから実際のところ犬は私を下に見ていると思う」
というご相談でしたが、
実際には、犬は「玄関を先に出てはいけない」
ということを理解していなかっただけだったのです。
私は犬が落ち着いているのであれば、玄関はどちらが先に出ていてもいいと思っています。
ですが、そのお客様はマンションに住んでいて、玄関の外に近所の人が歩いていることがあるということを考慮して、飼い主さんが先に出ることを徹底したかったそうなのです。
元々、犬は散歩前は落ち着いていましたし、飼い主さんとの関係性もきちんと築けていたので「飼い主さんがドアを開けて外に出るまで待つ」ということを教えただけでした。
犬との上下関係を築くこと
パック(群れの)リーダーになること
は、しつけをする上で最重要事項です。
愛犬の問題に悩んでいる方は、ここに問題があることがほとんどです。
それと同時に、上下関係という形にばかりとらわれすぎて、目の前にいる犬のことをみることができない場合も多いのです。
私のお客様の中には、それほどヒドイ問題がなくても愛犬との生活をより豊かにするために、愛犬との関係を見直すきっかけとして、コーチングセッションを受ける方もたくさんいらっしゃいます。
「犬が私のことを下に見ている」と感じながら犬と生活するのは、ストレスですし感情的になりやすいのです。
本当に犬から下に見られているのか
犬とのコミュニケーションが足りていないだけなのか
犬に何か教えるべきことが他にあるのではないか
犬からの尊敬がないことを嘆く前に、愛犬の普段の生活を見直すことから始めてみませんか?
犬に上下関係を理解させるのは優しさ
上下関係、主従関係、支配的、、
平和と平等を愛する人間からすると、ネガティブな印象になりがちなこの言葉たち。
個性を尊重して、明るくのびのびと楽しく暮らしてもらいたい。という想いを愛犬に抱いてる方は多いはずです。
上下関係を使ってパワハラみたいなしつけで、犬を人間の思い通りにしようなんて間違ってる、という声もよく聞きます。
でも、犬と上下関係を築くことは、決して対立するものではないのです。
犬の世界には、「率いるもの(上)」か「従うもの(下)」しかいません。
率いるものが優れていて、従っているものが劣っているなんてことではなくて、これはただの群れの中での立場というだけのこと。
そして、群れという存在を考えた時に、「従う者」の数の方が圧倒的に多いです。
その群れに飼い主であるあなたが入るのであれば、必ず「率いる者」の立場を死守しなければならないのです。
それは犬のため。
人間の会社での関係性に似ていて、会社の社長と従業員。
どちらが人間として優れているかは、この立場だけでは測れません。
どちらの方が幸せで、どちらの方が明るくて、どちらの方が楽しく暮らしているのかも分かりません。
大体の人がどちらかですが、従業員側の方が圧倒的に多いです。
そして、もちろん従う者の従業員を不憫に感じる必要はないんですよね。
私の友人の中には、自分で会社を経営し、従業員を抱えてる人もいます。
彼女は、自分でやりたいことを仕事にし、選択や決断を自分でできることを楽しんでいます。
そこにはもちろん、責任や決断を自分できることを楽しんでいます。
一方で多くの友人は、忠実に自分の仕事をし、決まった時間だけ働き、毎月安定したお給料が入ることを望んでいます。
どちらが優れているかというわけではないんですよね、立場が違うという話し。
社会の中で圧倒的な従業員側の立場である人が多いのと同様、群れという仕組み上、自然の摂理で従う者側として性質を持っている犬の方が圧倒的に多いのです。
なのに、「率いる者(トップ)」が不在であることで、なぜかトップの代理をしている犬がなんと多いことか…。
従業員として頑張ろう〜くらいの感覚で就職したのに、社長が不在でなぜか責任も決断も、社員の生活までも全て押し付けられてしまったような感じです。
背負いきれないです…。
ストレスで大変なことになります、人間だったらお酒やタバコの量が増えちゃいます。
問題行動が原因で、しつけやトレーニングをするわけですが、ほとんどの犬が社長不在(リーダー不在)の状況をストレスに感じています。
ですから、しつけを通して上下関係を理解し、従う側の立場を確立した犬っていうのは、顔がとっても穏やかになるのです。
口を開けてとてもリラックスした表情の笑顔をみせるようになります。
上下関係に嫌悪感を持ってる人も多いです。
でもそれはただの役割であって、パワハラ的なことや暴力的なこととは全く違うのです。
愛犬の緊張をほぐして、笑顔の時間を増やしてあげてくださいね。
まとめ
以上、愛犬と上下関係を作るための方法について解説させていただきました。
まず、愛犬が私のことをどう思っているのかを考える前に、あなたの愛犬と
「日々の生活でストレスは感じていないか」
「コミュニケーションはしっかりとれているか」
など、犬の気持ちを客観的にみることを心がけてみてください。
そうすることで、愛犬との上下関係云々よりも、もっと大切なものがみえてきます。
これが気づくと、いつの間に愛犬があなたのことを信頼できるパートナーだと、きっと認識するでしょう。
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